アフターバーン効果による筋トレの消費カロリー

脂肪を燃やすためには有酸素運動が効果的と思われがちです。

しかし、筋トレの持つアフターバーン効果(EPOC)によって、実は筋トレも有酸素運動に負けないほどの脂肪燃焼効果をもたらすのです。

この記事では、なぜ筋トレが脂肪燃焼に有効なのか、その科学的なメカニズムを掘り下げ、アフターバーン効果を最大限に引き出す方法について詳しく解説します。


本記事の要約
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筋トレは有酸素運動と比較して、脂肪燃焼効果に劣るイメージがありますが、アフターバーン効果を考慮すると筋トレでも有酸素運動並みかそれ以上のカロリー消費が期待されます。

[アフターバーン効果も含めた筋トレの消費カロリー]
体重60kgの人が一時間筋トレをしたとき
・一般的な強度の筋トレ:200~350kcal
・高強度の筋トレ:500~700kcal

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筋トレと有酸素運動の消費カロリーを比較

筋トレと有酸素運動はそれぞれ異なるカロリー消費の特性を持っていますが、参考として体重60kgの人が1時間行った場合の消費カロリーを見てみましょう。

筋トレの消費カロリー

・ 一般的な強度の筋トレ:150~200kcal

軽いマシントレーニングや、自重を利用したスクワット、腕立て伏せ、腹筋などが該当します。運動目的で取り組む筋トレでは、消費カロリーは比較的低めです。

・ 高強度の筋トレ:300~400kcal

ダンベルやバーベルを使った強い負荷をかけるトレーニング(例:ベンチプレスやデッドリフトなど)は、より多くのエネルギーを必要とするため、消費カロリーが高くなります。

有酸素運動の消費カロリー

・ウォーキング:220kcal
・サイクリング:300kcal
・ランニング:500kcal

ウォーキングやランニングなどの有酸素運動は、長時間継続しやすく、運動時間に比例して消費カロリーが増加する傾向があります。

また、ランニングはカロリー消費が非常に高い運動です。

短期的な脂肪燃焼の比較

筋トレと有酸素運動を比較すると、運動中の消費カロリーでは有酸素運動が優れています。

また、運動の性質上、筋トレでは糖質が、有酸素運動では脂質が運動中の主なエネルギー源として使われます。

そのため、運動中の短期的な脂肪燃焼に関しては、一般的に有酸素運動が脂肪燃焼に有利とされています。

一方で、筋トレには運動後も代謝が持続するアフターバーン効果があり、カロリー消費や脂肪燃焼が運動後も続きます。

このアフターバーン効果については、次の章で詳しく解説します。

筋トレ後はアフターバーン効果で脂肪が燃える

アフターバーン効果とは

アフターバーン効果とは、運動終了後もしばらくの間、代謝が高まり体脂肪が燃焼される現象を指します。

この効果は「運動後過剰酸素消費(EPOC)」によるもので、筋トレなどの高強度な運動の後に発生します。

アフターバーン効果は運動終了後24時間から最大で72時間にわたり継続するため、通常より多くのカロリーが消費され、体脂肪が燃えやすい状態が維持されるのです。

アフターバーン効果のメカニズム

筋トレがアフターバーン効果をもたらす理由は、運動後に必要となるエネルギーの回復と体の修復にあります。

筋トレ(無酸素運動)では、酸素の供給が不足し、体内のエネルギーが急激に消費されます。

これにより、運動後には以下のような代謝プロセスが発生します:

・ 疲労物質の分解

筋トレ中は乳酸などの疲労物質が代謝されず筋肉中に蓄積されていきます。筋トレ後、筋疲労を解消するために、筋肉に蓄積された疲労物質の分解が始まります。

・エネルギーの補填

筋トレでは、筋肉中に貯蔵されている糖質(筋グリコーゲン)がエネルギー源として使用され、枯渇していきます。そのため、運動後は筋肉中の貯蔵エネルギーを元の状態に戻すために、糖質(筋グリコーゲン)の補填が行われます。

・ 筋肉の修復

筋トレによって、筋繊維に微小な損傷が生じます。筋トレ後はそれを修復するために細胞活動が活発化します。

これらのプロセスが筋トレ後も酸素を多量に消費(運動後過剰酸素消費; EPOC)し、代謝を高めて脂肪燃焼を持続させるメカニズムです。

EPOCが増加すると、体内でのカロリー消費が加速し、アフターバーン効果が発揮されます。

アフターバーン効果も含めた筋トレの消費カロリー

アフターバーン効果による運動後の消費カロリーを考慮すると、筋トレの総消費カロリーは次のように推算されます。

・ 一般的な強度の筋トレ:200~350kcal

内訳:150~200kcal [筋トレ自体] + 50~150kcal [アフターバーン効果]

・ 高強度の筋トレ:500~700kcal

内訳:300~400kcal [筋トレ自体] + 200~300kcal [アフターバーン効果]

以上の通り、筋トレそのものによる消費カロリーとアフターバーン効果による消費カロリーを合わせると、有酸素運動と同等か、それ以上の消費カロリーになることがあります。

痩せるためには有酸素運動と言うイメージがありますが、筋トレもダイエットに非常に効果的な手段であると考えられています。

筋トレは代謝を持続的に高め、体脂肪燃焼を促進する重要な方法といえるでしょう。

アフターバーン効果を高める筋トレ法

最後にアフターバーン効果を効率的に引き出し、脂肪燃焼をより促すための筋トレのポイントについて解説します。

下半身を中心に全身の筋肉を刺激する

より多くの筋肉を同時に刺激すると、運動後の代謝が活性化され、アフターバーン効果が高まります。

特に下半身には全身の約60~70%の筋肉が集まっており、必ず鍛えたい箇所になります。

大きな筋肉群を使うことで、体内のエネルギー消費量が増加し、運動後も代謝が高い状態が長時間続きます。

多関節運動を行う

多関節運動とは、1つの動作で複数の関節が同時に動く運動のことです。

スクワットやデッドリフト、ベンチプレスなどの多関節運動は、1つの動作で広範囲の筋肉を同時に鍛えることができるため、アフターバーン効果を高めるのに適しています。

代表的な多関節運動は以下の通りです:

・ スクワット、レッグプレス

下半身全体の筋肉が同時に鍛えられます。また、バーベルなどの重りを担ぐスクワットでは体幹部の筋肉も鍛えられます。

・デッドリフト

下半身や背中を中心に、肩や腕、体幹部の筋肉が使われる。一度の動作で使われる筋肉量が最も多い種目の一つです。

・ ベンチプレス、腕立て伏せ

胸の筋肉を中心に、肩や腕の筋肉も同時に使われる。

・ ラットプルダウン、懸垂、ロウイング

背中の筋肉を中心に、肩や腕の筋肉も同時に使われる。

高負荷なトレーニングを行う

アフターバーン効果を最大化するためには、一定以上の負荷が必要です。

軽い負荷ではEPOCを引き起こすことができず、アフターバーン効果が発揮されにくくなります。

具体的には、1セットあたり8~15回で限界が来るような負荷を設定し、各種目を3~4セット行うのが理想的です。

翌日、翌々日に筋肉痛が出ていれば、そのトレーニングは高負荷と言えますので、筋肉痛を1つの基準として考えることができます

トレーニング後はしっかりと休息を取り、週に2~3回の頻度で行うと、筋肉の回復をサポートしつつ、アフターバーン効果を維持することができます。

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以上、筋トレがもたらす脂肪燃焼効果について解説させていただきました。ぜひご参考にしてみてください。

実はすごい筋トレの消費カロリー!アフターバーン効果で有酸素運動以上の脂肪燃焼” に対して1件のコメントがあります。

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