空腹はダイエットの大敵でありますが、人間が空腹を感じる原因について理解できていれば、我慢なしで上手に空腹に対処することができるようになります。そこで本記事では、空腹の原因およびその原因から考える空腹対策についてまとめさせていただきます。


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胃を空になりにくくすること、血糖値を一定のレベルまで下がらないようにすることが空腹対策において意識すべきことです。そのためにも以下の対策を実践してみてください。

①「多品目食べる」― おかず1品と白ご飯のような単一的な食事にならないよう、サラダや汁物、その他一品料理などを普段の食事に足してください。

②「食物繊維を摂る」― 玄米、大麦ご飯、全粒粉パン、そば、オートミールなどの全粒穀物を炭水化物源として積極的に食べましょう。

③「タンパク質と脂質の摂取」― 鶏むね肉やささみ、赤身の豚肉・牛肉、魚介類などの脂の少ない食材をタンパク質源とし、脂質はアボカドやナッツ類などから適量摂るよう心掛けましょう。

④「食事回数を増やす」― 一日三食にとらわれず、トータルの量はそのままで食事回数を4~5回に小分けして食べてみましょう。

⑤「適切な間食」― 血糖値を安定させるためにも適切な間食は効果的です。ポテチやチョコレートなどではなく、さつまいもやフルーツ、グミやラムネ、飴などを少量食べて、糖質のみを効率的に摂取しましょう。

⑥「こまめな水分補給」― 水分補給はこまめに行い、胃酸の濃度が高くならないようにしましょう。

空腹の原因を理解する

空腹の原因は主に2つだけです。一つ目が当たり前ですが「胃が空っぽの状態である」こと、そして二つ目が「血糖値が下がっている」ことです。

この2つの原因について詳しく見ていきたいと思います。

◤胃が空っぽの状態である

胃が空っぽで空腹を感じるのは当たり前ですが、問題となるのは胃が空の状態で起きる生理現象です。

胃の中が空になると胃は収縮を起こします。この収縮は空腹感を強調すると同時に、グレリンなどの空腹ホルモンの分泌を促進します。その結果、必要以上にきつい空腹感に見舞われます。

さらに、胃が空の状態だと胃酸の分泌も増加し、胃内部での胃酸の濃度が高くなります。通常、このように胃酸の分泌が増えるのは、次に摂取される食事の消化を促すためであります。

しかし、この状態が長く続くと胃酸が胃の内壁に刺激を与え、腹部の不快感や軽度な痛みを引き起こし始めます。空腹時にお腹や食道周辺が気持ち悪くなることがあるのはこのためです。

◤血糖値が下がっている

血糖(血液中のブドウ糖)は、脳や体の細胞の重要なエネルギー源です。

血糖値が下がると細胞に十分なエネルギーが供給されなくなるため、体は血糖値が低い状態をエネルギー不足と判断します。

さらに、脳は血糖値の変動に対して非常に敏感で、エネルギー供給の状態を常に監視しています。血糖値が下がると脳は即座にエネルギー不足と判断し、様々な食欲増進ホルモンを分泌させます。これが「空腹感」として知覚されます。

また、砂糖や白米などの消化吸収の速い炭水化物(高GI食品)を摂ったり、大量の炭水化物を食べたりすると血糖値が急上昇します。急上昇した血糖値は急下降するため、食後そこまで時間が経っていなくても、必要以上の空腹を感じることがあるので要注意です。

原因から考える空腹対策

原因が分かったので、あとは対策となります。

意識すべき点は次の通りです。

・胃が空っぽの状態にならないように腹持ちの良い食材や食品を食べること
・胃酸の濃度が高くならないようにすること
・血糖値がある一定のレベルまで下がらないようにキープすること
・血糖値を急上昇させないこと
・空腹ホルモンの分泌を抑えること

以上を踏まえて、具体的な空腹対策を紹介していきます。

◤多品目食べる

おかず1品+白ご飯のような単一的な食事ではなく、サラダや汁物を追加するなどして、多品目食べるように心がけてください。

食材によって消化時間や消化タイミングが異なるので、消化吸収にかかる速度が緩やかとなり、腹持ちアップに加えて血糖値も下がりにくくなります。

◤食物繊維を摂る

消化に時間のかかる食物繊維をしっかりと摂ることは、空腹対策において非常に役立ちます。

食物繊維と言えば野菜を思い浮かべるかもしれませんが、特におすすめなのが玄米、大麦ご飯、全粒粉パン、そば、オートミールなどの全粒穀物です。

血糖値が急に上昇すると、下降も激しくなるため、強い空腹を伴うこととなります。

全粒穀物は炭水化物ですが、白米やうどんなどと比較して食物繊維を多く含みます。よって、摂取した際の血糖値の上昇が緩やかで消化吸収にも時間が掛かるため、長時間にわたり血糖値を安定させ満腹感を持続させる効果があります。

◤タンパク質と脂質の摂取

消化に時間のかかる栄養素はタンパク質と脂質です。食事の腹持ちを良くするためにも、毎食きっちりと取り入れたい栄養素となります。

また、タンパク質を摂取すると食欲抑制ホルモンの分泌が促進されるため、過食の防止にもつながります。

ただし、タンパク質と脂質が同時に摂れるからと言って、脂の乗った肉類や揚げ物などを積極的に食べることはやめてください。動物性の脂質は健康的なデメリットがある上に、脂質自体が高カロリーなため、摂取量には注意が必要です。

タンパク質源としては、とり胸肉やささみ、赤身の豚肉や牛肉、魚介類など脂質が少ないものを選び、しっかりとタンパク質の量を確保してください。(サバやサーモンなどの魚介類の脂は肉類と異なり、良質な脂質なので気にしなくてOK)

脂質源としては、アボカドやナッツ、脂の乗った魚介類がおすすめで、ココナッツオイルやMCTオイルなども利用して、体に良い脂質を適量摂るよう心掛けてください。

効率的に脂質を摂取する方法の一つに、ナッツ類(アーモンドとクルミが良い)を食事前に数粒食べる方法があります。血糖値のコントロールや満腹中枢の刺激など様々なメリットがあるため、ぜひ実践していただきたいです。

卵もタンパク質豊富で適度な脂質を含んでいるため、上手に活用したい食材です。

◤食事回数を増やす

一日の食事回数を朝昼晩の3回にとらわれず、トータルの量はそのままで4回や5回に小分けして食べることを試してみてください。

食事一回での満足感は少し下がりますが、血糖値が安定しやすく、胃に何かある状態が続きやすいため、空腹を感じにくくなります。

◤適切な間食

食事と食事の間が長いと、強い空腹に襲われますし、次の食事を食べ過ぎてしまう傾向があります。そのため、血糖値を安定させ空腹を感じないようにする上で、適切な間食は効果的です。

ポテチなどのスナック菓子やクッキーやチョコレートをはじめとした洋菓子は非常にカロリーが高いため、ダイエット時の間食としては絶対にNGです。

間食による多幸感ではなく、空腹対策として血糖値を安定させることが目的であることを忘れないようにしてください。

さつまいも、フルーツ、グミ、ラムネ、飴などを適量食べて、効率的に糖質を摂取することで血糖値が上がり、一時的に空腹を緩和することができます。食べる量の目安としては100kcal以下に抑えればOKで、合わせて水分を多めに摂るとなお良いです。

◤こまめな水分補給

水分補給をこまめに行うことで、胃酸の濃度が薄まり、空腹時の腹部の不快感を軽減することができます。

当然ですが、飲み物はお水やお茶などの砂糖が入っていないものに限ります。

また、コーヒーなどカフェインを含む飲み物には、一時的に食欲を抑制する効果があるので、カフェインの摂り過ぎには注意し、適量飲むこともおすすめです。

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以上、空腹の原因に関する説明と、具体的な空腹対策を紹介させていただきました。どれも実践しやすいので、ぜひ試してみてください。


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